性教育学原理
2. 性教育学の目的
総合的性教育学は以下の目的達成のために努力する
a. 若者たちが全人格的発達の中へみずからの性的発達を統合し、自分自身を受け入れてゆく課題を遂行するために支えてやること。
b. 若者たちが男としてまたは女として、独自に固有のアイデンティティーを確立してゆくことに力を貸すこと。それには、他者の性別についてポジティヴな立場を見出すこと、および他者の性別の補完的視点を認知し学習することが含まれる。
c. 若者たちが性的領域において責任ある決断を下せる段階に到達しうるよう、性的発達について、また人間関係の形成についての知識を伝達すること。人間関係が破壊したり、決別に至ったりすることをそれにより回避するためである。
d. 性的特質、感覚および人間関係の意味を理解し、かつそのために必要にして、事実に即した性に関する慎重な言葉の発達を強化すること。
e. 若者に友情、愛情および生殖についての全人的方向付けを与えること、かつ愛情と性的な事がらについての法則性を知解するために力を貸すこと(性の両極性、無条件な愛について、また二人が誠実であり、その結びつきが互いに与え合う保護された空間として長続きする関係になること、ならびに子供を持つ要望などについて)。
f. 性について自然で喜ばしい人生と責任感のある態度を発達させるよう力を貸す。それには性行動の実践能力が備わっていることと快楽について知覚すること、および克己心によって快楽を昇華することなどが含まれる。
g. ティーンエージャーでの妊娠および人工中絶を回避すること、おのおのの人間の生命の創造から自然な死までの価値観へと導いてゆくことに力を貸すこと。
h. 性病罹患回避のために力を貸すこと。
i. 限度を超えた性的表現についての感覚を鋭敏にさせること、および暴力的な性描写ならびにポルノグラフィー等に反対行動をとること。
j. 若者たちが性的領域において、次第に特定の偏った方向へ傾斜し、また抑圧的な行動へと向かうまさにそのときに、さまざまな異なる世界観と対峙するよう促すこと。それにより若者たちが、別の性的方向を持っている人間に対しても、寛容になれるよう手助けすること。
k. 性教育学はこれらの目的の実現化のために、さまざまな関連における性について若者たちを手助けする。これは若者たちが性的領域において、彼らの全人格のために行動するよう促すことを可能にするものである。
そのような全人的性教育学は社会的に高い関心を呼んでいる。それはまたポジティヴな個々人の人格的促しの他に、世代間の契約を引き受けて果たしてゆく若い世代のみならず、一般的に健全な行動へと促し、愛情のある家族および、子供に優しい社会へと促してゆくことに力を貸すものである。