性教育学原理


5. 枠組みとなる条件

性教育は、第一義的には両親または養育権を持つ者の権利である。したがって、この両者は教育者側から性教育についてオッファーがある場合には、いつでもその情報が得られるし、かつ参画しうる。
両親によっては、時間的にも内容的にも、また自身の背景の問題からして、子供たちの性について教えるのは過大な要求となる人も当然ながらいるのだが、実はそのような人たちこそ支援と学習とを必要としているのである。
同時に、青少年の発達過程によって起きてくる、当然な親離れについても注目すべきである。それゆえに、親の教育上の務めにとって、家族外で彼らが体験する機会を得ることは重要な支援となる。この点、学校内および学校外での性教育は補助的かつ補充的機能を果たす意味を持っている。その際、児童および青少年たちには、みずからの自由意志でその性教育の授業に参加するか否か、それを決断するための自由が保証されていなければならない。(日本語訳:生田千秋)